海外金融資産?
<所得税は全世界の所得について、課税>
皆さんは、日本の所得税が日本国内のみならず、海外の所得についても課税されることをご存じですか。
海外の所得? という感じだと思います。
お金持ちならば、海外の不動産に投資を行ない、不動産収入を得ていると話はあると思います。
また、相続税や所得税対策として、シンガポール等に10年以上住むという話も聞くことがあります。
殆どの方は関係のない話なのですが、昨今、中小企業も海外進出は当たり前になりつつあります。海外赴任者も増えてきています。
すると海外赴任経験者で、現地の株式を購入したとか、年金に強制加入となり、将来、年金くるみたいという話をちょくちょく聞くようになりました。
お金持ちでなくても、海外株式の配当をもらっているとか、海外株式の売却益があったとか、海外の年金の送金があったとかの話は少しずつですが、増えてきています。
日本の場合、所得税は先程、話したように海外の所得も含めて課税されることになっています。
配当といっても少ないし、年金といっても微々たる金額だし、株式の売却代金は海外の口座にあるし、大丈夫と思っている方も多いと思いますが…
<自動情報交換制度>
確かに海外の金融口座の内容を把握することは困難でしたが、OECDの決議により2018年9月以降、共通報告基準による自動情報交換制度がスタートしています。
この制度は、世界各国の税務当局が国際的な税回避を防ぐために、自国の金融機関に対して外国人の口座情報の提供を義務付け、この情報を税務当局間で交換することを目的としています。
つまり、日本人が海外に持っている金融口座(銀行、生命保険会社、証券会社、信託会社等)内容を直接、日本の税務当局が把握できるということです。
令和3年7月現在、83の国と地域が対象となっています。結構な数だと思います。
もちろん、海外所得があるからと言っても、全て確定申告の対象かというとそうでない場合もあります。
しかし、内容が把握されていると考えた方がよいでしょうね。
それから、有名な地域、バージン諸島、ケイマン、ルクセンブルク等はこの制度の対象国と地域になっていますね。蛇足でしたね。