給付付き税額控除?

【総裁選】
自民党の総裁選、高市さんが「給付付き税額控除」の制度設計を
公約に掲げています。
この話を聞いたとき、これって、旧民主党、立憲民主党の政策じゃないの?
いくら少数与党とは言え、そこまでやるの??
確かに与党と立憲民主党との間での協議体設置の合意がありましたが…。
まあ~、いろいろありますね?という印象です。
この「給付付き税額控除」、聞きなれない言葉ですが、
アメリカ、カナダ、英国、オランダ、韓国などでは導入されています。
日本は政府税制調査会や旧民主党、立憲民主党が導入を提案しています。
どんな制度かというと、ざっくりいうと定額減税+給付金というイメージです。
定額減税、1万円を給与の所得税から差し引くとした場合、
所得税が2万円ならば1万円を差し引くことができます。
でも、所得税が5千円の場合、5千円しか差し引くことはできません。
さらに、所得税が0円の場合、そもそも差し引くことはできません。
しかし、「給付付き税額控除」ならば、
所得税が5千円の場合、所得税から5千円を引き、残り5千円を給付。
所得税が0円の場合、1万円を給付。という感じです。
【メリット、デメリット】
この制度、メリットはいろいろあります。主なものは次でしょうか?
・課税最低限以下の人にも給付が可能
・消費税の逆進性を緩和することが可能
・就労支援や児童手当等の組み合わせが可能
デメリットもいろいろあります。主なものは次でしょうか?
・申告等の手続きや給付事務が必要
・所得の把握が可能なのか
・世帯単位なのか、個人単位なのか
まあ~、色々ありますが、議論を進めることは大切だと思います。
この制度を導入するにあたって、最大のポイントは
いかに課税の公平性を担保するかということです。
特に高齢者のうち、多額の資産を有する人達の扱いです。
言い換えると、所得は低いが、資産が十分ある人達の扱いです。
新しい税制を考えるとき、従来はフローの公平が重視されてきましたが、
高齢化が進む中、ストックとフロー、両にらみの観点が必要だと思います。
難しいね。