じっくりと・・・

【薬価引き下げ】
9日、アルツハイマー病薬のレカネマブの薬価が15%引き下げられる
見通しであることが報じられました。
厚労大臣の諮問機関、中医協に「費用対効果を検証した結果、
現行薬価の1/3~1/4程度」が報告され、了承されたためです。
この薬剤、とても高額です。年間300万円の薬価です。
効果が1/3~1/4程度なのに引き下げが?ですが、
制度上の上限・下限があり、そうことになります。
ところで、費用対効果評価という制度は2019年4月に導入され、
多くの薬剤が評価され、価格調整を受けています。
つまり、薬は薬価収載されたら、おしまいではなく、
必要に応じて費用に応じた効果があるかを検証されるということです。
この制度、個人的にも興味があったことから、良い制度だと思っています。
でも、1/3~1/4程度の効果で15%の引き下げ? 何かしっくりきません。
ここも、高額療養制度も含めてじっくり検討してはどうでしょうか?
【OTC類似薬も】
そう言えば、社会保険料の負担軽減のため、
OTC類似薬の保険適用除外、
これも選挙結果によっては議論が進んでいくと思いますが、
以前にも呟いたように、医療保険の薬価と市販薬では値段が違い過ぎます。
市販薬の多くが10倍以上の値段です。
この価格の解消なしに保険適用除外とするのは難しいと思います。
むしろ、保険適用除外ではなく、発想を変え、
OTC類似薬の自己負担割合を変更するというもの一考かと思います。
また、例えばアトピー性皮膚炎等の一定の疾患の患者さんには、
従来通りにするというもの、ありかなあ~と思います。
平成の初期から、OTC類似薬の保険適用除外の話は繰り返しありました。
過去の中医協の議論の場において、
消毒薬のイソジンがOTC類似薬として議論の対象となったときに、
ある中医協の委員が、ぼそっと、
「これって手術の時、山のように使うのよね。患者さんに??」
この一言で、議論は一気に尻すぼみになりました。
単に保険適用除外ではなく、発想を変え、患者さんと疾患を考えつつ、
じっくりと検討してほしい気がします。
声高にいう国会議員の皆さん! じっくりです。