期待は大きいが・・・
【中小企業、所得拡大促進税制】
ウクライナ情勢や円安による物価高(実際の影響はもう少し後かな?)とともに、賃上げが必要だ!という報道が多くなっています。
例えば、韓国より安い賃金とか、OECD加盟国で23~25位とか、かしましいですね。
為替、賃金は平均か、中央値か、最低賃金か等、色々あり順位は異なってきます。でも低いのは間違いないようです。
令和4年度税制改正でも、積極的に賃上げを促すための措置として、
中小企業の所得拡大促進税制が「賃上げ促進税制」とされ、見直しが行われました。
ダイレクトな呼称ですね。
基本要件は変わっていないのですが、
雇用者給与総額 対前年比 1.5%以上 → 税額控除 15%
上乗せ要件が拡充されました。
改正前は、雇用者給与総額 対前年比2.5%以上+一定の教育訓練費増加 → 税額控除10%だったのですが、
今回の改正では、
雇用者給与総額 対前年比2.5%以上 → 税額控除15%
教育訓練費増加額10%以上 → 税額控除10%
となり、改正前の最大25%に対して、今回の改正では最大40%となっています。
思い切ったなあ~ と言う感じです。
物価高によるコスト高、値上げは思案中・・・、でも賃上げはしなければならない。
という社長さんは多いと思います。
決断を促す税制かもしれません。
【落とし穴??】
私もそう考えていましたが、少し気になることがありました。
控除上限額はどうなったのかな? という点です。
確かに税額控除は最大25%が40%となりましたが、控除額上限がどうなったかです。
税額控除の制度、必ず、控除上限額(例 法人税額の20%)が定まっています。
例えば、税額控除は60万円だが、控除額上限は法人税額の20%のため、
60万円のうち40万円しか控除できないという場合です。
こういうことはしばしばあります。
今回の改正、この控除上限額、改正前の法人税額の20%のままです。
ここは注意です。社長さんに説明するとき、この点は必ず必要です。
期待が大きければ大きいほど・・・・・・。