塩野義製薬、海外治験?
【治験参加者が足らない】
11月1日、塩野義製薬が国内で開発中の新型コロナ治療薬(経口剤)の最終段階の治験を海外、韓国やシンガポール等で開始することを発表しました。
理由は国内で感染者が減少し、十分な治験参加者の確保ができないためと言うことです。
第一印象は「やっぱりなあ~~」という感じです。
新型コロナの患者さんが減れば治験参加者の確保が難しくなるのは当然なのですが、塩野義製薬の新型コロナ治療薬の最終段階の治験開始は9月27日からでした。
この時点では新規患者数は1日1,000人台という水準、10月後半での500人を多少下回る水準でした。
治験参加者の目標数字はよくわからないのですが、2,100人程度らしいのです。
今回の報道では海外で約1,000人を集めたいということのようです。
つまり、国内では約1,000人しか集められそうにないということでしょう。
今回の海外治験は11月10日より韓国、シンガポールで開始、ベトナムや英国も準備中です。
いずれの国もアジア系が殆ど、しかも、国際的な大規模治験の常連国です。
【本当に支援してるの?】
国は新型コロナ治療薬の開発を強力に支援しますと発表しているのですが、どうも上手くいっていない、やる気が空回りしていると思います。
アビカンは期待されたものの、治験参加者が集まらず、少数例の治験データで有効性が見られないままに、現在も治験中です。
イベルメクチンも北里大学の単独から、ようやく治験参加の製薬企業が見つかり、現在治験中です。
新薬開発、最大の関門が、いかに多くの治験参加者を集めるのかです。
確かに、厚生労働省より新型コロナ患者さんと接点がある各保健所に対して治験支援の通知は出ているようなのですが、それ以外は見かけません。
しかも、治験参加者の募集は首都圏と福岡が中心に、民間が行っています。
患者が多い大阪、どうなっているのでしょう。
幸い、吉村知事が10月27日より宿泊療養施設で治験参加者を募集すると発表してくれました。
他の政治家はどうなのでしょうか? マスコミはどうなのでしょうか?
きちんと行動しているか、しっかり見る必要があると思います。
塩野義製薬の新型コロナ治療薬、上手くいくよう祈っています。
でも、治験例数が2,100人、メルクに比べるとかなり少ないと思います。心配!