デジタル課税、最低法人税率
【ようやく合意】
今月初め、OECD(経済協力開発機構)が、巨大多国籍企業を対象とした「デジタル課税」と多国籍企業が軽課税国に本社をおいても、最低水準の税金を支払うことを確保するための世界共通の「最低法人税率15%」の導入(2023年実施予定)で合意したことを公表しました。
ようやく、国際的な法人税引き下げ競争に歯止めがかかりそうです。
Google、Microsoft、Facebook等は法人税率が12.5%のアイルランドに関係拠点を置いていますし、Amazon、apple等も対応に頭が痛いのではないでしょうか。
この対象となる企業、日本でも大きな売上を確保していますが、以前は殆ど納税していませんでした。
最近でこそ、「税金を納めていない!」とマスコミに取りあげられるようになったことから、多少は納税していますが、まだまだ少ない金額に止まっています。
今回の合意、日本は税収増の恩恵を受けそうです。
ようやく、1980年代半ばから始まった法人税引き下げ競争に終止符がうたれようとしています。
【まだまだ、本丸が!】
今回の合意、めでたし、めでたし、となればよいのですが、どうでしょうか。
確かに、タックス・ヘイヴン(ケイマン諸島等)、アイルランドやオランダ等の軽課税国は痛手かもしれませんが、まだまだ、多くの本丸があります。
例えば、アメリカ、デラウェア州です。
この州、全米で2番目に小さく、人口も6番目に少ない州ですが、全米上位500社の企業のうち、約70%、Amazon、apple、Alphabet(Google)、Facebook、Coca-Cola、McDonald、Formators、FedEx、AT&T等々が拠点を置いています。
何故でしょう?
このデラウェア州の州所得税(法人税)、商標や著作権、リースなのと無形資産の収入が課税対象とならないことになっているようなのです。
また、消費税(アメリカは州が売上税として課税)がありません。等々
アメリカのケイマン諸島等とも言われています。
また、日本では法人の全世界所得に対して、課税され、外国税額は一定のルールにより控除されますが、世界には国内所得に対してのみ課税する国も多くあります。
まだまだ、企業と国家の知恵比べは続きます。
岸田首相の金融所得課税強化、これも関係します。どうなることやら?