インボイス制度は悪法?

皆さんは、近々、消費税にインボイス制度が導入されることをご存じですか?

一昨年、消費税が8%から10%に引き上げられ、軽減税率8%が合わせて導入されたことは記憶にあると思います。

この時に、諸外国において導入されているインボイス制度が消費税の引き上げ法案に盛り込まれました(実施は令和5年10月)。

個人的には、あまり議論もないのに「よいのかなあ??」と感じたことを覚えています。

<何故、インボイスなのか?>

消費税は重複して税金がかからないようにするために、仕入れた時に支払った消費税を、売り上げた時に預かった消費税より、差し引きし、その差額を事業者が納付する仕組みになっています。

例えば10,000円の商品を売り上げた場合、消費税10%を加えて11,000円をもらいます。その売り上げた商品を5,000円で仕入れているとすれば、消費税10%を加えた5,500円を支払っています。

この売上の時の消費税1,000円から仕入れの時の消費税500円を差し引いた500円を事業者が国に納付することになります。

消費税は消費者が負担するのですが、納税は事業者になっています。おかしいな? 負担額は1,000円ではないのかな? と思うかもしれませんが、仕入れの時の500円と事業者が納付した500円を合計すると1,000円となり一致しています。

税率が1つであれば計算は簡単なのですが、複数ある場合はどれが例えば8%なのか、5%なのか、15%なのかが分からないようになるため、事業者(納税者)を登録し、インボイスを発行する制度が必要になるとされています。

この説明であれ??? 軽減税率は8%、1つじゃないの?と思ったかと思います。この制度を入れるということは、将来、消費税を引き上げることを意味します。

日本の財政赤字を解消するには、OECDは将来的に消費税15%に引き上げることが必要と述べています。10%では不足なのです。この15%は単一の税率です。

つまり、近い将来、日本もEU並みに、複数税率、例えば宝石は25%、食料品は8%となるということです。

ある意味、悪賢いかもしれません。

<廃業ラッシュ??>

コロナウイルス感染症の拡大で、小規模な飲食店業の廃業が進んでいるようです。

インボイス制度が導入されると同様なことが生じると言われています。

日本の消費税は年間売上が1,000万円以下の事業者は消費税を納めなくてよいという仕組みになっています。

規模の小さな事業者、例えばフリーランス、町の小さな飲食店や小売店は、売上が1,000万円以下のため、所得も少なく、消費税を納めると生活が大変なため、消費税を免除されています。

インボイス制度が導入されると、この方々は消費税を免除されているため、制度の外に置かれることになります。

インボイス制度は、消費税を納付する事業者に登録番号をつけ、この登録番号がない事業者からは、仕入れた商品の消費税を差し引くことができない仕組みになっています。

先程の例でいうと、1,000円-500円=500円の納付が、500円ではなく、1,000円の納付になることになります。

もちろん、激減緩和措置はありますが、長くは続きません。

つまり、この規模の小さな事業者さんは、消費者や大きな事業者から、「登録番号ないのね。消費税分負けてよ!」とか、「仕入れても消費税分、損になるから取引しないよ!」と言われかねないのです。

これを避けるためには、自ら消費税を納めさせて下さいと申請するしかありません。

国から、規模が小さく、所得も少ないから「消費税はいいよ、納めなくて」と認められたにもかかわらずです。

悪法とはいいませんが、おかしな制度かな・・・ と思います。

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