お孫さんに贈与をすべきか?

この業界に入ってビックリしたことは、お孫さんへ贈与をする方が多いことでした。

私自身としては本当に大丈夫?という気がします。

年配の方は、まず、ご自身の生活、配偶者の生活のための資金を確保すべきであり、その資金を子供や孫のために減らすことはない(教育費は別)と私は考えています。

野村総合研究所のデータ(2019年)によると、金融資産(負債を除く)が1億円以上ある富裕層世帯は全世帯数の約2.4%、133万世帯となっています。これを多いか、少ないと考えるかは様々ですが、このクラスになると老後の資金も大丈夫でしょうから、ご自由に! となるのですが、どうも入っていないような方が多い気がします。

いずれにせよ、贈与するのはそれぞれの判断ですから、まして贈与税の申告があればお仕事ですし、ありがたいことだと思っています。

<相談されても??>

お孫さんや子供さんへの贈与、相談が多いのですが、困ることが多いのも事実です。

例えば、お元気な奥様が、私に向かって一言、

「××先生! ○○ちゃんと△△ちゃんに、毎年百万円、贈与しているのだけど、大丈夫よね! 年間110万円以下は税金がかからないって・・・ 聞いたのよね。」

「毎年、百万円なのですか???」

「前の担当の△×さんは、毎年百万円でも大丈夫。契約書をお願いしますね・・・。最初の年はやったのだけど、面倒くさいし・・・、やっぱり、百二十万円にして税金納めた方がよいかしら? それとも今から書いた方がよいのかしら??」

「そうですね・・・・・・。」

(これって、契約書があったとしても、毎年と同額となると定期贈与の可能性が・・・)

「奥さん、毎年ではなく、時々お休みされたらどうですか。お孫さんのイベントにあわせて、メリハリつけて金額をかえるとよいと思いますよ。毎年よりもずっと喜んでくれると思いますよ。お年玉とお盆で計10万円とすると、卒業に合わせて20倍の200万円、税金は9万円、4.5%ですよ。税金が気になるのでしたら、110万円でも11倍になります。」

「そうかしら。確かに毎年よりもメリハリはつくし、ドカーンと喜んだ顔もみたいしね。でも、契約はどうなのかしら?」

「奥さん、贈与契約書なしでも双方の合意があれば口頭でも成り立ちます。契約書は合意を忘れないという意味です。奥様があげる。お孫さんがもらう。合意があって、振込むという行為があり、証明できればよいのです。」

「よかった。○○ちゃんと△△ちゃんは、高校生だけど、◇◇ちゃんは、小学生だから、どうしようかしらと考えていたのよ。もう少し待つことにするわ。」

<孫へ贈与は慎重に!>

子や孫への贈与は、相続税の節税策として様々な内容がネットで掲示されています。保険勧誘のトークでも利用されています。

相続税の税率が55%に引き上げられ、基礎控除が5,000万円から3,000万円へ減少したことから、生前贈与が注目されているような気がします。

私は子や孫への贈与について、次のことを気にする必要があるかなあ~と考えています。

契約書があればよいということではない

→わたす側ともらう側の約束があり、お金をもらう側が管理している口座に振り込んでいることが大切です。契約書はそれを補強する材料と考えてください。

毎年同じ時期に同額を贈与しない

 →契約書があったとしても、毎年同時期に同額を渡していれば、定期的な贈与とされるおそれがあります。500万円を5年に分けているだけとなります。そうなると贈与税が課税されることになります。

これらに加えて、私が気になることが最後に一つ

例えば、内孫が1人、外孫が2人いたとします(逆も同じです)。

このお孫さんたちに、高校入学とかのイベントに分けて各々300万円を贈与したとします。お孫さんたちからみれば、平等になります。よかった!

でも、親御さんからみれば300万円と600万円になります。

兄妹仲がよければ問題にもなりませんが、長い介護が終わり、相続となり、あるきっかけで・・・・・・。

杞憂と言えば、それまでですが、何気なく、ポツリと愚痴をこぼされる方はいらっしゃいます

孫へ贈与は難しいと思います。でも孫はかわいい!!

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